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卓 話
2010-2011年の卓話一覧

2010年8月20日(金) (第1822回 例会)

“Vocational Service”を考える


卓話者
  RI第2660地区 IM第4組
  ガバナー補佐  山片 重房氏




邦訳「職業奉仕」は、深川純一PDGが“生活のために収益を挙げる職業と、
報酬を求めない活動である奉仕、という相反する内容を結合させた意味不明な言葉”と
語られたように,多くの先達や日本中のロータリアンの解説にも、解らない部分が残るようです。

D. C. フォワード著「奉仕の一世紀」第6章によれば、Vocational Serviceという言葉が
登場したのは、1926年以前の大英帝国・アイルランド内RI(RIBI)であって、
当時のRIBI会長のS.パスカルと事務総長のV.カーターがロータリー活動(activity)を
簡潔にまとめるために、ハイウェイの3車線(lanes)に喩えました。
1927年にRIがこれを採用し、さらに翌年に第4の路線(trauck:International Service)を加えてRotary’s Four Avenues of Serviceと称したので、
これは「ロータリー活動の4路線」と訳すべきです。

そして、そこで説明されている文章は次の通りです:
Vocational Service,where・・・・  この関係副詞whereが「職業奉仕」というような
抽象名詞を受けているわけがありません。
これは明らかに文章の元につながって、Vocational活動(Service=activity)の
路線(an Avenuue)を説明しているのです。

英英辞典でserviceを引くと、日本語の「奉仕」(報酬を度外視して国家・社会・
人のために尽くすこと)という意味は存在しません。
これを受けて近年の英和辞典でもservice=尽力、貢献、奉仕:(helpful)活動activityと
記されていて、medical service=医療活動、と訳されています。
serviceは(支援)活動を指しています。

つぎに“Vocation”の語源を調べることにします。
vocation =    voc      call     ation  
     voice(神の)声が ・ call(呼ぶ) ・ こと/仕事(名詞語尾)

vocationとserviceは、ともに“宗教用語”であって、「無償の活動」、
「神の意に従った仕事」、「他人のために役立つ仕事」を意味する言葉です。
前者が“持続的で一生続く仕事”を意味するのに対して、
後者は“ターゲットを絞った、限定的な仕事“を意味します。

それ故、“Vocation”を「職業」(生活を支える手段としての仕事)と訳したのでは、
意味が通じないのですが、それに代わる日本語が存在しないために、
ここでは‘職業’と記すことにします。

Vocational Service (‘職業’活動):
@ 生涯にわたって「他人のために尽くす」という理念(神の意)に基づいた仕事を
  ロータリアンが続けていくために、それをロータリー・クラブが支援する活動。
A 上の理念(神の意)に基づいた仕事をロータリアンが自ら実践するとともに、
  外部の人々にも伝え、広めていく活動。

「職業奉仕に関する声明」(手続要覧)に述べられている、“クラブと会員双方の責務”とは
何を意味するのか、また、ビチャイ・ラナクル元RI会長がくり返して語られる
“職業分類と対外活動の重要性”とは何か、これまで誰の解説もありませんでした。
・・・それらは上の解釈によってはじめて理解可能となるでしょう。